時間を計算するには60進法を使うと便利です。
ここでいう60進法とは、厳密にいうと60進法ではありませんが、60秒が1分、60分が1時間、24時間が1日という計算をするので、3桁の60進法の計算には使えます。
時間計算をエクセルでするやり方で60進の計算ができます。
60進法を表示する方法
60進法とは60の塊で桁がくりあがる数のことです。
エクセルでの60進法は、時間形式で入力します。
例えば、1時間34分を入力するには、「1:34」のようにコロンで時間と分を区切って入力します。この場合、秒の桁は0と解釈されます。
1時間34分38秒のように秒まで指定して入力したい場合は、「1:34:38」のように入力します。
エクセルで、「2:34:56」と入力すると、これは60進法で1の位が56、60の位が34、3600(=602)の位が2である数を表していることになります。
60進法の足し算
足し算ですが、普通の数と同じように足せばよいのです。便利ですね。
例えば、A1セルに「1:34:38」、B1セルに「2:45:56」を入力し、C1セルに「=A1+B1」と入力してA1セルの時間とB1セルの時間の合計を計算できます。
この場合C1セルには、「4:20:34」と足し算された結果が表示されます。
足し算だけでなく、引き算もできます。
もちろん、掛け算や割り算もできるのですが、時間×時間がどういうものか意味付けができないので、使い道はないでしょう。
ただし、時間×回数のような計算結果は意味付けできますし、有効に使えます。
時間の割り算も時間の比をとるという意味では使う可能性がなくもないでしょうが、出番は限りなく低いと思います。
マイナスの60進表示に注意
原則として、マイナスの時間を取り扱わないように工夫することが堅牢な計算となります。
標準では、エクセルはマイナスの時間計算はできません。
もし、セルのデータがマイナスの値になってしまった場合「######」のようにセルが「#」で埋め尽くされて表示されます。
簡易的に、マイナスの時間を使えるようにする方法は、「オプション」-「詳細設定」-「1904年から計算する」のチェックをONにするとマイナスの時間も扱えるようになります。
ただ、これは一時しのぎの方法と思って使ったほうがよいです。なんかの表紙にこのオプション設定が解除されると、たちまち、セルが「#」で埋め尽くされてしまうからです。
自分だけが使うエクセルファイルならともかく、他人のエクセルの設定がどうなっているのかわからないので、このオプションは使わないのが安全です。
エクセルでの60進法の実装方法
普通は、60秒で1分、60分で1時間、と60になると1繰り上がることが60進法の数え方ですがエクセルではこのような考えはしていません。
1日(24時間)を1とし、その24分の1を1時間、それを60で割って1分、さらに60でわって1秒として実装しています。
つまり、エクセルでは実数(小数)を時間表示形式で表示することで60進法を表しています。
この仕組みをしっていると、時間と数値(実数)を同等に扱うことができ、より汎用的な計算をすることができます。
エクセルで60進法(時間)を計算するときのポイントは、入力と表示の部分だけを60進法で扱い、内部では実数で計算するとより汎用性が増します。